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zoom RSS 勿忘草〜true love〜【U】

<<   作成日時 : 2008/05/22 18:51   >>

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”…誰…ですか…?”

怯えた表情 震えた声

掻き消そうと思っても、頭の中で何度も何度も繰り返される…

少し広すぎる部屋に冴えわたる静寂の中、

ふとテーブルに飾られた青い花に目がとまった

月明かりに照らされる勿忘草…

”まもちゃん”

花のように咲く彼女の笑顔が頭をよぎって

「うさ…」

ただ愛しい人の名をつぶやいていた…


勿忘草〜true love〜【U】


私は『月野うさぎ』で

16歳 高校1年生で…

毎日、ガッコーに行って友達と笑って…

ごくフツーの女子高生で…

そうだよね…それだけだよね…

それだけのはずなのに

何でだろう…

何か…何か大切な…


「うさぎぃ!!」


呼ばれた声にハッとして振り返ると、小さい女の子が私のことを見ていた

「あっ、ごめん。何?」
「育子ママが朝ごはんだから、下りてきなさいって」
「うん、分かった。すぐに行く。ありがとうね、ちびうさ」

いつもだったらそう答えたらすぐに階段を下りて行くのに
今日のちびうさはなぜか動こうとしない
何か言いたそうな表情…

「どうしたの?」
そう聞いてみれば
「なっ、なんでもない!!」
そう言って慌てて階段を下りて行くちびうさ

小さな足音を聞きながら
私はまたあることを頭の中で考えていた

ちびうさって私の何なんだっけ…?

何でだろう…
ちびうさのことは分かってるのに
ちびうさが誰なのかが分からない…

姉妹でもないし、ましてや親戚でもなくって…
でも何故かいっつもそばにいて…それがすごく当り前で…

もっと近い存在のような…

もやもやした気持ちを消すように
制服のリボンをきゅっと結んだ


※※※

「ん〜良い天気♪♪」
少し伸びをして、学校への道のりを進んで行く
あまりのお天気に気持ち良くなって、思わず足取りも軽くなるけど
「おっと、安全第一。安全第一。」
自分に言い聞かせるように、歩く速度をゆるめる

『絶対に気をつけてガッコー行ってよ!!うさぎに何かあったらやなんだから!!』

家を出る前、あんな真剣な表情で、それでいて今にも泣き出しそうな顔で言われたら
聞かずにはいられないよね…
でも、何だかそんなちびうさがすごくかわいくて
小さな女の子の忠告を胸に、私は学校を目指す

信号を渡って、人通りの多い道を進んでいると、ふと視線を感じて足をとめた
視線が重なる…その強い瞳から目が離せない…

そこに彼が立っていた…

※※※

彼女を目にしたのは一体いつぶりだろう…
けれど…
見間違えるはずがない… 見間違えるわけがない
そこに立っているのは紛れもなく彼女で…

一瞬、時が止まったようにお互いを見つめあう

いや、そう感じたのは自分だけかもしれないな…

その証拠に、少し困ったような表情をしている彼女

何ともいえない沈黙に耐えきれず、先に声を発していたのは俺だった

「おはよう」

少し掠れた声…たった一言でひどく喉が渇いたような気がした

「おっ、おはようございます…」
「怪我はもう大丈夫?」
「あっ、はい。もう治りました。」
「そう、良かった…」
「あっ、ありがとうございます。心配かけちゃってすみません…」

ぎこちない会話…
何ともいえない空気が二人の間に流れる

「えっと、あの…」
彼女がじっと俺の顔を見つめる
あぁ…そっか…
「地場衛。俺の名前は地場衛だよ。」
「地場さん…」
彼女は俺のことが分からないんだ…とういより、知らないといった方が適切なのか
改めて、その事実を突きつけられた気がして
感情がなくなっていくような感覚に陥る

「地場さん…本当にごめんなさい…私、あなたのこと…」

彼女が俯きながら申し訳なさそうに口を開く
その先の言葉を聞きたくなくて

「気にしなくていいよ」

自分から彼女の言葉を遮った

「君が気にすることじゃない。俺のことは良いから、そんな気にしないで?」
「えっ?」
「病院で嫌な思いさせてごめん。あんなのされたらフツー驚くよな」
「あっ、その…嫌とかじゃなくて…心配してくれたのに、その…」

そこでまた俯いてしまった彼女
耐え切れずにまた口を開いたのは俺の方だった

「学校大丈夫?」
「へっ??」
「もう8:30だけど…HR間に合う?」
「えっ!!??うそ!!キャ〜!!どうしよう!!間に合わなぁい!!!」

ちょっと話を逸らそうと思っただけなのに
さっきまでの沈んだ表情はどこへ消えてしまったのか
ギャーギャー叫んで慌てふためく彼女
あまりのギャップに思わず、笑いがこみあげてくる

…やっぱり彼女には元気な姿が似合う

「今からなら間に合うかもよ?ほら、行ってきな」
「わぁ、すみません!!行ってきます!!」

カバン片手に走り出す彼女
そのまままっすぐ走っていくと思ったら、くるりと振り返って

「あのっ!!」

透きとおった声が響きわたる

「時間教えてくれてありがとうございました!!行ってきます!!」

ぺこりとおじぎして、にっこりと笑う彼女
その笑顔があまりにもきれいだったから

「いってらっしゃい」

こちらも自然と微笑んで言葉を返していた
さよならと手を振って、また走り出す彼女


ねぇ、うさ

君の瞳に俺は映ってる?
君の心の中に『地場衛』はいる?

その瞳で俺を見てほしい
その声で名前を呼んでほしい

そう願うのに

その反対を望んでいる自分がいる

君の優しさに癒されながらも
その優しさに胸が締め付けられる


何とも言えない感情を抱きながら
小さくなっていく彼女の背中をただただ見つめていた



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コメント(3件)

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続きが気になりますっ(>o<")
楽しみにしてます!!
まりえ
2008/09/11 02:13
見してもらいました
カンドーしました
続きが早く見たいです
衛兎
2008/10/12 12:18
続きが気になりマス!
楽しみにしてます。
勿忘草の他の意味も気になります。
詩月
2010/02/14 21:30

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